« クリスマス | Main | 新選組 »

December 22, 2004

むずかしい

12210011
 青弓社から出ている南田勝也さんの『ロックミュージックの社会学』を買いました。はっきり言ってひじょうに難しいです。

 「一方でロックのイメージは一言で表せないほど拡散し、他方ではロックに対するこだわりは残存している。しかも、そのこだわりのあり方はひとつではない。……」
 『ロックの本質は何々にある』『ロックとはこうあるべきだ』という審美的な批評や解釈的な判断をおこなうのではなく、その定義自体がいかに成立したのか、なぜ人はロックに意味があると思えるのか、こういったことを広く社会的な文脈の中に組み込み論じるのである」

 わたしなりに南田さんの議論を整理すると、ロックは(1)不良で反抗的なアウトサイダーのイメージと、(2)音楽のみならず詞やファッション、レコードのジャケットに見られるようなアートへの志向性と、(3)オーディエンスを楽しませるエンターテインメントという3つの要素がそれぞれ関連しつつも、せめぎ合って発展してきたモノである、ということです。

 この3つの概念の道具を「ロックの歴史」に当てはめて、実にうまく説明していっています。

 論理は難しいですが構成は明快です。1章でフレームワーク〔(1)(2)(3)〕を組み立てて、2章で概念装置として具体化して(ここが一番難しい)、3章以降で実際の事例から当てはめてみる、というパターン。南田さん自身が言うように、やや図式的で画一的〔(1)(2)(3)を使えばどんなロック・ジャンルも説明できちゃう〕のように思えるところもありますが、、まだ若いのにこれだけのものを書けるということだけでも尊敬します。レポートのネタになりそうな1冊。1600円。

 それにしても……。
 本を買ったわたし自身が言うのも何ですが、

 「社会学という学問体系・概念装置をつかって、ロックを説明したとして、見事説明できたとして、それがどういう意味があるのか?」

 わたしも社会学専攻でしたので、この疑問はわたし自身に対する問いかけでもありました(レベルも違えば研究対象もまったく別でしたが)。常にその点は腑に落ちなくて、答えは結局最後まで見つからないままにアカデミズムから去ったわけです。というよりも、意味を見いだせなかったから出て行ったというほうが正しいかも知れませんね。

 この話についてはまた考えてみたいと思います。

|

« クリスマス | Main | 新選組 »