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May 12, 2005

「魔が差した」

 TBSのデスクが読売新聞や朝日新聞から記事を盗用したというニュースがでている


 ここの部長は思わず「魔が差して」やってしまったそうだが、どんな「魔」が差したらここまであからさまなパクリができるのか聞いてみたい。ネットの記事をパクったらさすがにバレるが、新聞からなら大丈夫だろうということで使ってしまったのかもしれない。

 だがこれはけっこう微妙な問題ではある。何をもって「盗用」とするか、その境界線は実はけっこうあいまいなのではないか。たとえば、おそらくどんなデスクや編集者、ライターも、ネタ探しは必ず他の媒体(ネット、雑誌、新聞)を調べることから始める。表現や文章をそっくり真似ることは当然ありえない、と言うかしてはいけないことだが、テーマやアイディアを拝借することは良くある(もちろん切り口は変えるが)。

 アサヒ・コムの記事によれば、新聞の特集記事から「盗用」したとあるが、文章をそっくりそのまま流用したのか、あるいは「てにをは」を変えた程度なのか、企画の切り口をパクったのか、あるいは似たようなテーマを採用しただけなのか、その内容がわからない。TBSのホームページを見ても現時点(5月12日午前2時)ではこの件について何にも書かれていないし、「盗用した」という話だけが一人歩きして、わたしたちはその中身について全く知らされていない。

 だが、いわゆる「パクリ」はどこにでも見かけるものだ。たとえばクルマ。国産車の中には、どうみても某外国車のデザインを意識したと思しきものが多数あるし、すぐ近くの某国では逆にほとんど詐欺まがいの日本車コピーまで存在している。確信的にやっている分だけ、こちらの方がある意味悪質であるのに、おとがめを受けることは非常に少ない。メディアやアカデミズムの人たちは良識が身に付いている分、この点で損しているのかも知れない。

 とはいうものの、仕事でもこのホームページでも、他人の文章を自分のものと偽るということは、自分の創造力の欠如を肯定することになるわけで、そういう自分に対する自信というか(良い意味での)矜持がなくなると、こういう安易な方向に流されてしまうのだろう。書いているうちになんだかよく分からなくなってしまった。

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