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June 05, 2005

懺悔

 学生時代の恩師が秋に京都で講演をやるらしい。もう今年で定年のはずなので、教壇に立つ機会が見られるのもこれで最後かも知れない。ただ、先生にはとても大きな負い目があるので顔向けする勇気がない。

 ガチガチのマルクス主義者で禁欲的・理論的ながら人情味あるその先生は、わたしの将来を両親以上に心配してくれてもいた。

 学部時代、いち学生の教育実習をわざわざ見に来てくれたその優しさ、就職に失敗し、いわゆるNEET NEET NEET路線を突っ走ろうかとしていたところに救いの手をさしのべてくれた心の広さ。なんとか無事院に入り、たいして能力もないわたしに懇切丁寧に論文指導してくれる寛容さ。外見以外はまさに理想の人間像で、あれぐらい頭が良くなりたいと思ったし、ボロボロながらなんとか論文を提出できたのも先生のおかげだ(と同時に、「できる」人とそうでないわたしとの歴然たる能力の差を痛感したのも確かだ)。

 そんな素晴らしい先生を、わたしは裏切った。就職先を告げずに勝手に名古屋にいったのだ。修士論文の口頭試問を終えるとすぐに、卒業式にも出ずにさっさと名古屋に引っ越したのだ。聞くところによるとそうとうお怒りだったそうだ。そりゃそうだ。

 以来、先生のその後の様子は気になるのだが、どうしても会いに行く気がしない。ゲバルトは嫌いな人なので、殴られはしないだろうが、会えばおそらくかなりの剣幕で怒鳴り散らされ、自己批判させられることであろう。学生運動の元闘士の怒りは理論的で怖い。

 が、もうその先生も相当な年だ。人間いつ何があるか分からない。もしかしたら間近で見る機会もないかもしれないので見に行こうと思っている。わたしの小心のため涙の再会は果たせぬであろうが、こっそりとあなたを見つめています。

オープンカフェ 京都自由大学

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