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October 16, 2005

記憶

(1)
 深夜、NHK総合に「MUSIC BOX」という懐メロ垂れ流し番組がある。音楽だけではなくてその楽曲が流行した当時の映像がながされるのだが、これがなかなか面白い。このまえ、というか昨日、眠れなかったのでたまたまその番組を見ていたら、その日は60年代と70年代の歌謡曲を特集していた。

 邦楽の歌謡曲オンリーなので60年代のものはついて行けないけれど、70年代くらいならけっこう聞ける。チューリップ、小林旭、小柳ルミ子、浅田美代子、中村雅俊、堀内孝雄、沢田研二と、自分の生まれる前に流行った曲ばかりだったが、どこかで耳にしたことのあるフレーズがときおり出てくる。

 とりわけジーンときたのは小坂明子さん(当時16歳くらいだったらしい)の「あなた」という曲。歌詞の内容は「『あなた』と結婚して、ちいさな家を建てて、家庭をつくって、幸せに暮らすというのが夢だったけど、その『あなた』はどこかへ行っちゃったの」という、とても意地悪な言い方をすれば16歳の少女が描く夢にしてはあまりにもスケールの小さい夢想で、いまの若い世代にとっては痛々しくて息苦しいものだと思う。

 けれども音楽と映像が言葉と組み合わさると、そういう印象はいっぺんに吹っ飛ぶ。小坂さんの純粋無垢な声質と、ピアノの弾き語りが醸し出す楽曲の切なさと、妙に粗い70年代の映像(内容は家電屋とか服屋とかのイメージ映像)とが驚異的なシンクロ具合でリアルに迫ってくる。こうなると歌詞の青臭さとか生活感みたいなものは、逆に感動を誘う吸引力となって「あなた」の世界に引きずり込んでいく。とてもいい歌だと思った。


(2)
 そんな事情もあって今日は終日寝ぼけ眼。朝から名古屋市内のある緑地公園で「フラッグフットボール」というアメフトの簡易版ともいえるスポーツの取材に行った。会社を辞めたAくん(仮名)がわたしに残していってくれた、仕事の置きみやげだ。

flagfootball こういうスポーツを見るのも参加するのも嫌いではないので普通にこなしていたが、仕事の最中にそのAくんから電話が。謝りの電話かと思いきや、友達とコンパをしてかわいい女の子を見つけたとの報告だった。

 一方的に投げ出した仕事を人にやらせておいて、自分はコンパですか。怒りを通りこして、呆れたよ。ひたすら無邪気に生きていられる彼をある意味、尊敬した。

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