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February 03, 2006

とてつもなく長い日記

 1日から3日まで東京で得意先まわりの仕事。初日におもったよりもうまくスケジューリングができたので、2日目はお昼以降何にもやることがなくなった。名古屋に戻ってからはしなくちゃいけないことが山ほどあるのだけど……。そんな先のことを考えても気分が重くなるだけなので、とにかく今日をたのしむことにした。

 桜新町での仕事を終えてご飯を食べたあと、実家に帰って寝ようか、それともせっかくこっちに来たのだからどこかに寄っていこうかと考えた。町田には正月にゆっくり過ごしたので、ひさしぶりに都内をいろいろ見て回ることにした。

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 そこで思い立ったのはお台場にある日本科学未来館。ここのプラネタリウムでは、レイ・ハラカミさんがサウンドを、原田郁子さんがナレーションを担当しているというのを思い出したから。仕事で都内に来ることは多々あれど、こんなに自由に過ごせるのはまったくなかったので、今回ばかりはひとりではしゃいだ。でもってゆりかもめに乗って「船の科学館」駅で下車。いそいそと日本未来科学館に向かう。途中の道では全然人がいない。きっとガラガラのはず。じっさい、入り口は遠足に来たとおぼしき小学生がいたくらいでほとんど人はいなかった。なんて無駄な建物をつくったんだろうか。今回ばかりはありがたいけれど。

 だが、入場券の購入窓口でプラネタリウムのチケットを買おうとしたら、「本日のプラネタリウムの予約は満席です」とのこと! な、な、なにい~!!! こんなにガラガラなのに?? 係の人に聞けば、小学生の事前予約分でほとんどの席が埋まっていたとのこと。仕事ついでとはいえ、はるばる名古屋からきたのに……。期待が大きかっただけにがっかり。

 肩を落として再びゆりかもめにのって新橋へ。幕張に行くときによく通る首都高湾岸線を見ながらボーッとしていた。新橋についてもまだ午後3時。このまま帰るのは悲しすぎる。そこで何を思ったか、映画を見よう、と考えた。普段はまず買わない『ぴあ』を買って面白そうな映画をさがした。するとあったあった、面白そうなのが。マーティン・スコセッシ監督の『ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム』。場所は渋谷のとあるミニシアター。

 渋谷と言えば、先日交通違反で警察に捕まった因縁の地だが、今日は徒歩なので公務執行妨害でもしない限り、捕まる心配はない。だが、次の上映時間は18時45分。まだ3時間近くもあるが、とりあえず渋谷に行って時間をつぶそうと考えた。とりあえず映画館でチケットを買う。整理券番号は1だった。

 明治通りや表参道をぶらぶらして、古着屋でニット帽と手袋を買ったり、本屋でディスクガイドを買ったり、レコード屋でCDを買ったりして時間を費やした。それにしても、やはり東京のレコード屋は日本はおろか世界でも一番の品数なんじゃないだろうか。棚を見ているだけでも、次から次へと買いたい作品があって、100万円持っていたとしてもきっと足りないだろう。CDだけじゃなくて映像作品もこのところたくさん出てきているせいもあると思う。とくにニール・ヤングが出てくるジム・ジャームッシュの『Year of the Horse』は最後まで買おうかどうか迷ったけれど、今の財政状態で4000円という値段はいくらなんでも厳しいので、泣く泣く断念した。

 そんなこんなであっという間に18時半。映画館に入る。整理券番号順に入るので、ベストポジションをゲット。クルマに乗り慣れていると、シートの出来にものすごく敏感になるのだけど、ここのイスは柔らかさの中にコシがあって、ものすごく座り心地が良い。長い時間でもきっと大丈夫だろうとすぐに確信した。

 ボブ・ディラン。とにかくカッコよすぎる。演奏も服装も態度も何もかも。マスコミの質問にうんざりするその悪態ぶりすらも。アコースティック・セットの穏やかな表情とは対照的な、エレクトリック・セットでの攻撃的でギラギラした目!!このギャップ。声は決してよくないし、いまの基準で見れば演奏もたいしたものではないけれど、耳に残る音。ニール・ヤングの『ラスト・ネバー・スリープス』を見たときもそうだったが、静けさと激しさの差異がひたすら大きいので、インパクトが段違いだ。

 映画は2部構成で、4時間にも及んだ。これだけ長いと、おそらくDVDを買ったとしてもリピートして見ることはないと思う。それだけに映画館で見てよかった。映画館を出て、渋谷駅に着いたときは23時。駅ではたっくさんのカップルたちが別れを惜しんでべたべたしていた。自分には全く関係ないけどそういう光景もとても新鮮だったので、実に面白い。

 山手線、小田急線を乗り継いで町田へ。家の近くに停まるバスはすでに終わっていて、仕方なくかなり歩かなくてはならないけれどとりあえず近くまで行くバスに乗った。まだ12時まえなんだけど。このとき思ったのだが、町田、それもその辺境の地と、職場が家に近い名古屋とは2時間は時間の感覚が違う。12時や1時を回っても働いていることはざらで、仕事を終わって10分後には家でご飯を食べていられるいまの職場と家。23時前に終バスが来る実家。東京に戻るにしても、いまと同じ仕事をする限り実家には住めないな、と今日初めて実感した。実家の居心地の良さを引き替えにしても、だ。

 だいぶ長く書いてしまった。自分の場合日記は、普段と違う、 ルーティーンではない体験をしたときに書くようにしている。といいつつ愚痴もけっこう多いけど…。今日なんかは非日常の最たるもので、とにかくいろいろなことを体験して、考えた。やはり生きていくうえで刺激は必要だ。いろいろ歩いてものすごく疲れたけど、なんだか妙に充足感のある一日だった。

 今度お台場に行くころには、まだレイ・ハラカミが音楽を担当したプラネタリウムは残っているだろうか。それだけが心配だ。

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