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May 11, 2006

LAST DAYS

 名駅・太閤通のシルバー劇場『LAST DAYS』を見た。

 他の人はどうか知らないが、はっきり言ってとてもつまらなかった。というか、わたしはたぶんこの映画を誤解していたと思う。いわゆるドキュメンタリーとか伝記タッチな映画と思っていたから。そうではなくて、この映画はカート・コバーンの死から着想したフィクションなんだと。

 マイケル・ピットはたしかに外見も声もカート・コバーンに似ているし(ちょっと美男子で肌がきれいすぎる感じもするけど)、歌もうまい、と思う。パジャマ、カーディガン、女装、ボーダーのセーター、でかいサングラスなどなど、服装だっておもいっきりそのまんま。(ビデオやCDや雑誌などメディアを通じて)自分たちが見てきたカート・コバーン像をみごとにトレースしている。

 けれど似ている分、似せている分、それゆえに、ちょっとした違いがものすごく気になったりもする。左手で遺書を書いているのに、ギター弾いているときは右利き用だったり、"Death to Birth"というニルヴァーナライクの曲があまりにも陳腐だったり、意味深そうで無意味なカット(ゲイ・プレイとヴェルヴェット・アンダーグラウンドの"Venus in Furs"の関係?)が多かったり…。そういう小さなケチをつけたくなるのがファン心理というもの。言いがかりというのはわかっているんだけど、納得できないんだよなあ。

 少なくとも自分はニルヴァーナが好きで見に来ているわけであって、カート・コバーンもどきも、ニルヴァーナもどきも見たくない。だからライブ映像とか、生前のインタビューとか、そういうふつうのドキュメント映画でいいじゃないかなあ。マイケル・ピットはそれを補完する立場で出てくるとか。こう思ったのは自分だけだろうか…。もちろん、コートニーや旧メンバーの連中が許可するとは思えないけど。

 そういうわけで、この映画のいちばんの見どころは、ソニック・ユースのキム・ゴードンがあまり上手くない演技を披露しているところかな…。音楽の監修をしたサーストン・ムーアも含めて、できれはこんな映画に関わって欲しくなかったというのが個人的な感想。

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