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September 01, 2007

『<ポストモダン>とは何だったのか』

Honjo 本上まもるさんの『<ポストモダン>とは何だったのか』(PHP親書)を読んだ。90年代半ばのアカデミズムを経験した著者が、柄谷行人の著作に代表される「ポストモダン」の諸論考を明快かつ、とても大胆に解読。自分と関心のある分野に多少ならず重なる部分があって、腑に落ちない部分はあるものの、興味深い内容だった。

 筆者の個人的な「体験」と「分析」がところどころで入り交じっていて、読み物的にはおもしろいけれど、冷静に読んでいくと??と思う箇所もしばしば。特に社会学について論じる部分では、アカデミズムの最新の研究事例を一瞥すらせずにテレビなどのマスコミで取り上げられる「社会学」を引き合いにして浅薄な学問と断じていたりもしていた。

 これまでの経験からして、哲学や政治学といった「思想」の世界に住む住人ほど、社会学にたいしてどこか冷たい視線を投げかける傾向があるように感じる。その背景には、「統計=社会学」みたいな思いこみみたいなものがある。統計といっても社会調査の資料は数的資料だけではなくて、「語り」の言説分析などの一次ソース研究が重要視されて(というよりこちらの方が主流になりつつある)いるわけで、量的調査の分析はむしろ民間のマーケティングツールとして利用されている。

 学生時代は、フーコーやらドゥルーズやらデリダやらを学んでいた人がたくさんいた。当時は、構造主義以後のフランス系の思想家は「身体性」とか「構造」とかいった用語を持ち出して、物事をや無理して難解に解釈しようとする人たちみたいな印象が強くて、ぜんぜんピンと来なかった印象がある。表面をさらっとなでただけで、真意に迫ることを放棄した自分が文句をいえることではないのだけど。

 ま、とにかく、この本は分かりやすかったということです。ホコリをかぶった本棚から最初の10ページしか読んでいないたくさんの思想書を引っ張り出してみたくなった。

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