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November 23, 2008

映画4本

多摩シネマフォーラムの映画祭で、4本の映画を鑑賞。

河瀬直美のドキュメント「につつまれて」「きゃからばぁ」「垂乳女(たらちめ)」、あと若松孝二監督の「実録・連合赤軍」。

河瀬直美の作品については、敢えていじわるな言葉を使わせてもらえば、自意識過剰もここまで度を過ぎると心地よい。「につつまれて」は一度も会ったことのない実の父の消息を追う物語。“父を捜す自分”に焦点が当てられていて、執拗なほどに河瀬本人のポートレートが続く。

「きゃからばぁ」は「につつまれて」の続編。実父の死を聞きながら、「墓参りにも行く気はない」と突き放し、「わたしが強いからあなたを生んだ」と言い放つ実母。河瀬は、自らの数奇な出生を、そのやり場のない気持ちを、納得させるために刺青師と出会う。そして自傷(=刺青)する。「作品を生み出す行為はひたすらに孤独であって、そこには愛も友情も不要である」と。河瀬は、刺青を入れ、全裸で草むらを走る。

「垂乳女」は生と死の物語。老いゆく祖母、そして自らのカラダに新しく宿る命。祖母の亡くなる瞬間を、そして自らの出産シーン(赤ん坊が出てくるその瞬間すらも)をすべて包み隠さず映像で見せる。徹底したリアリズムというか、究極の事実追求型映画といえる。記憶にすると曖昧になる。写真では断片化される。だが、(撮影者の視点という留保が付くにせよ)映像はありのままをリアルに描く。自分たちが目を背けてきたものを、河瀬は自らのカラダをもって突きつけようとする。そのパワーにひたすら圧倒された。じっさい、3作品のなかでいちばんおもしろかったのはこの作品。


「実録・連合赤軍」は、190分の長編。思うところはいろいろあるので次回。

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