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January 15, 2010

諦観都市、その名は

Imgk9252Imgk92562週間近くの米国出張も明日が最終日。ラスベガス、ロサンゼルス、そしてデトロイトと短い期間に3都市を回ったわけだけれど、いちばん居心地が良かったのは、見飽きたと思っていたデトロイトだった(上下4枚はラスベガス)。

Imgk9526Imgk9534デトロイトは実はとても不思議な都市だと思う。失業率は高く、ダウンタウンの治安は悪いし、冬はやたらと寒いしわであんまり良いところがないように見えるが、モータウンのような人の心を揺り動かす音楽が生まれているし、デトロイトテクノのような抽象化された音づくりにも長けている人が数多くいる。MC5やストゥージズのような荒くれ者の連中もいる。

デトロイトにもいろんな人種がいるが、たとえばニューヨークのように、ヒト・モノ・サービスがごく狭いひと所に集められて撹拌されたようなカオスはない。どこか落ち着いている。デトロイトの失業率は20%を超えていると言うが、街の人びとはピリピリしたところや自暴自棄なところがあまりない。ここに住む人は未来に過剰な期待を抱いていない。自動車産業は斜陽だし、西海岸や南部のように成長著しい産業があるわけでもない。リーマンショックの余波は不動産の資産価値を失わせ、マイホームを売り抜いて別の土地へ移り住むこともままならない。とにかく、背伸びしていない。

というわけで、感じたことは、デトロイトは“諦めの都市”である、と。これは決して悪い意味で言っているわけではなくて。

そしてここの人びとは“よそ者”の扱いになれている。パリや上海、あるいはニューヨークといった超巨大な都市だと親切の裏には旅行者を食い物にしようとする打算がどこかにあることが多いのだけれど、デトロイトの人びとは黒人も白人もアジア系もみな普通に親切だ。

Imgk0628Imgk4093よそ者が自分に害をなす可能性を考えていない、あるいは全ての物事はいまが最悪だからこれ以上良くなる可能性しか残されていないという意味でポジティブなのかも。

そんなことを思った米国滞在最終日でした。

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