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April 18, 2010

日本実業出版社『なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか?』吉田典生

Imgk90131「仕事のできる人」は、たいてい人を育てることが下手だと思う。本書でいう仕事の“できる”人とは、「自分の力で、求められている自分の役割に応えることが“できる”」(17ページ)人のことだ。

この定義で言えば、自分はとてもじゃないが“できる”人間ではない。しかし、というかそれ故に“できない人”の気持ちは共感できる。

基本的に「できる人」は、「できない人」の気持ちが分からない。これはひとつの真理だと考えている。できるが故に、自分と同じように“できる”と考えている節がある。だから、自分では当然と思うことを人に平気で強要できる。“できない人”は“できる人”に一方的に叱られ、叱る側はますます高圧的になり、叱られる側はますます萎縮していく。

だけれども、たとえ“できない人”がいたとしても企業体は発展しなければならない。そして、企業は大きくなればなるほど、“できる人”だけの力では成長できなくなる。そう、「組織の底上げは「できない人」の“できる化”にかかっている」のだ(101ページ)。

吉田氏は、“できない人”の能力を伸ばすには、自分の能力に自信を付けさせることにあると説く。「できない状態からできる状態に変わるには、本人が持っている力に気づき、それを発揮できるようにしてあげればいいのです。…可能性を信じることは思想ではなく、価値を創造していくための原理だと私は考えています」(198-199ページ)。まさに至言。(自分も含めて)“できない人”の“できる化”を考える毎日。

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