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April 14, 2010

ちくま新書『貧困化するホワイトカラー』森岡孝二

Pwhサラリーマン/サラリーウーマンが読んだら戦慄まちがいなしの本。マルクスはかつて、資本主義社会の必然的帰結として資本家に搾取される労働者の“窮乏化”は免れないと語っていた。経済的成長と中流階級の増大とともにに、そんな「窮乏化理論」は誤りであるとされたが、ここにきてこのことば、妙に真に迫ってくる。

「ホワイトカラーを脅かしているのはオフショア(海外委託)だけではない。おそらくすべてのホワイトカラーにとって最も大きなストレスとなっているのはレイオフであろう。…今日では、(かつては「一時解雇」を意味していたにすぎなかった)レイオフは永久解雇と化した。いったん人員削減の対象になったらそれっきりで、…元の会社で働く可能性はなくなった」(62-63ページ)。だれもが思っていることを端的に言うものだ。

自分の周囲でもよく聞く話だが、とくに硬直化した人事制度の中で身動きの取れない中堅社員は苦悩が多い。いまの超氷河期新卒は輪をかけてたいへんだろうが、新卒社員と大きく異なるのは、中堅社員の多くは家庭をもっているということ。彼らは子どももまだ幼く、パートナーも現場復帰には至っていないことも多い。いっぽう婚期を逃した連中は、不安定な将来を考えると結婚すら考えられなくなる。かくして少子化は必然的な帰結となる。レイオフにおびえながら働き、新しい職場を探すのも困難となると、改革の意欲にも乏しく“もの言えぬ社員”となっていくのも当然だ。

仕事を自己実現の手段と割り切って給料度外視で働いても、予算を達成できねばその先にはレイオフが待っている。森川氏はホワイトカラーのユニオン(労働結社)化を主張するが、、、なかなかそういう活動にプロジェしていくことは容易ではない。なぜなら、理論的思考を重視するホワイトカラーは自己の行動原理を理屈づけて納得させてしまうから。

ところで、湯川鶴章さんが今後のメディアの展望について「従業員の半分がクビを切られ、残った半分も給与が半減する。そんなイメージだ」と語っていたが、自分は給料が半減してもいいので、半分の生き残りにはなる」という目標を掲げている。月収20万円で生きていくライフプランをいまのうちから立てねば。

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