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May 21, 2010

さよならPanda

Imgp3545およそ5年乗ったFiat Pandaを明日手放す。感傷に浸って悲しいというより、“面白い奴だったな、アイツは”という感慨のほうが大きい。旧miniや旧ビートルのほうが一般受けするが、一部のクルマ好きや料金所のおじさんにはPandaは大人気。いかにも70年代後半然としたカクカクデザインは今だからこそ新鮮だ。

何よりも、ああ見えて本当によく走る。年に1回は青森まで遠征したし、その余勢を駆って北海道にも上陸。中国地方や四国にも行った。とくに110-120km/h程度の速度での安定感はさすが。欧州の高速道路は平均速度が130km/h以上と速く、古いクルマはほとんど見かけることはないが、日本の旧態依然な道路行政はPandaのようなクルマも(趣味グルマとしてではなく)実用車として生きながらえさせてくれる環境と言える。シートは、どう見てもカネかけているようには見えないのだが、不思議と座り心地が良く、腰や背中も痛くならない。

Imgk9080そして荷物も詰める。名古屋から実家への帰省には主要な家財道具をPandaに積んで(人によっては夜逃げのようにも見えただろう)帰ったし、家具や無駄にでかいスピーカーなども平気で飲み込む。また床がけっこう低いのでFitほどでないにせよ天地のあるものも積めるあたり、使い勝手も十分。miniやビートルとの大きな違いは、クルマにパッケージングや積載能力といった実用性への配慮の有無にあると思う。単に走れるだけではなくて、どれだけ人が乗せられるか、荷物が積めるか。“パッケージングの鬼才”といわれたジョルジェット・ジウジアーロの面目躍如といったところ。彼はスポーツカーよりも、Pandaやゴルフ、あるいはプントのようなパッケージングの妙が問われる実用車を手がけると、無類の才能を発揮する人だと、個人的には思っている。

てなわけでPandaは、いろんな人に乗ってもらいたいクルマだった。こんなに小さくて、こんなに古くさいけど、意外によく走るでしょう?愛敬のあるクルマでしょう?というのをアピールしたかった。なので、このブログを読んでいらっしゃる方の多くは、自分のPandaにお乗せしたことのある人が多いと思います。

ところで、イタリア車と言えば、切っても切り離せないのが故障にまつわる話。実際ふた言目には、よく“壊れるんじゃないの?”と聞かれるが、基本的に一通りのメンテをしていれば「そう簡単には壊れない」。気をつけたいのは、タイミングベルト/バッテリー/オルタネーター/マフラー/クラッチ(ディスク/ケーブル)。これらを適切なタイミングで交換していればまず、大丈夫だと思う。そんなに?と思うかも知れないが、Pandaはパーツの単価が安いから壊れたとしても数千円から数万円。ヘビーな出費になることはまずない。

もちろん10万km20万kmとなると、ヘッド上のエンジンオーバーホールや、ダンパーの交換、冷却系(ラジエータコア/ホース/バルブ)や燃料系(フューエルポンプ/ホース)の調整は必要だろうと思うが、そもそもパーツ代が安いので、スパンを決めてメンテしていればそれほど無理な出費にはならないと思う。国産車のように完璧ではない。大金はたいて全部直そうと意気込むと、かえって思わぬ所にトラブルが発生してショックをうける。ポイントを決めて定期的にひとつひとつ問題を解決していくくらいの覚悟でいれば、トータルの出費は少なくて済むはず。要はメンテをサボらないことだ。これはPandaに限らずどんな古いクルマにも当てはまることではあるけれど。

Dsc_0077ともあれ、ボディがペラペラで軽くて、中は案外広くて、燃費がべらぼうに良くて、キビキビしてて、というPandaのようなクルマはもう二度とこの世に出てくることはないだろう。新しいクルマにはいつでも乗れるが、無くなりゆくクルマにはそうそう乗れない。Pandaにまつわる話は山ほどあるけれど、これくらいにしておこう。

明日はピカピカに洗って、Pandaとさよならします。

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