« July 2012 | Main | October 2012 »

August 29, 2012

いまさらながらのフジロック2012評(1日目)

もうひと月経ってしまいましたが、覚えている範囲でのフジロック評を。まずはいつになく活動的だった初日から。

OWL CITY(Green)
 シングル『Fireflies』を1200万枚も売り切ったのだからさぞかし人気だろうと思っていたけど、グリーンステージ前はけっこうガラガラ。ついでに機材トラブルのためか、スタッフがPCとにらめっこしていてライブがスタートしない。ようやく登場したのは20分ほど押しての登場。アダム・ヤングのルックスは『Fireflies』のPVのように、爽やかな青年という風貌を想像していたけど、ひげ面にTシャツ&デニムというスプリングステーンばりのラフな出で立ち。生声は録音で聞くよりも図太く、たとえて言うならマニックスのジェームスのよう。

 セットリストは、大ヒット作『Ocean Eyes』と新作『All Things Bright and Beautiful』からまんべんなくチョイス。当初は、ライブだと他の楽器に音が負け、音程も安定しないので、ちょっとライブ向きのアーティストでないかな…という印象もあったけど、後半に行くほど声が出てきて安定してきた。それと、電子音中心のOcean Eyesよりも、ロック色の強い新作の方が断然ライブ映えする。


THA BLUE HERB(White)
 日が西に傾いて暑さも和らいできたホワイトステージに現れたイル・ボスティーノ。こうして彼らのステージを見るのはいつぶりだろうか。相変わらず、その言葉のパワーに終始圧倒されるばかり。震災のこと、原発のこと、政治のこと、音楽シーンのこと。人によっては、自分に酔ったリリックを次から次へと吐き出すだけのラッパーに見えるかも知れないが、そこらの連中とはライムの重さが違う。息苦しすぎる日本の世の中を本当に憂える人が、それの解決への糸口を探そうとし続ける魂の叫び。


U-zhaan × mabanua(Avalon)
 やたらぬるいMCを繰り出すユザーンだけど、ライブとなるとmabanuaと共にやたらタイトでトライバルなドラムンベースをくりだしまくる。この日はレイ・ハラカミの命日でもあったので、「川越ランデブー」も熱唱。故人を思うと思わず目頭も熱くなる。


THE STONE ROSES(Green)
 まさかライブを見ることができるとは思っていなかった、最たるバンド。イアンとジョンの確執は大丈夫なのだろうかと不安にも思っていたが、意外にも和気あいあい。でも演奏は年を取ったぶんだけしっかりしている。イアンのボーカルは、こちらも良い意味で予想を裏切り、音程も安定しているし声もかなり出ている。イアンの掛け合いに、はにかむジョンもほほえましい。ただ、いつもなら率先して観客にアピールするはずのマニが、ジョンに遠慮していたのか。ちょっと距離を置いていたのが印象的だった。アンコールは、定型的なブリティッシュポップスからファンキーでカオティックな勢いで押しまくる、まさにマッドチェスターを体現した名曲"I Am the Resurrection"で大円団。見ておいて良かったと、心の底から思う。


THE FIELD(Red)
 STONE ROSES終了後、ちょっとだけ休んで再び出陣。目当てはTHE FIELD。最新アルバムはこれまでに比べると、若干平板というか盛り上がりに欠けるな…と思っていたのが正直な所だったけど、今回のライブを見てその印象は一変。生ドラムとベースも登場したこともあって、クライマックスまで上り詰めるいつもFIELD節に磨きがかかった。彼らにとって1時間足らずの持ち時間は短かすぎ。


eli walks(Red)
 THE FIELDが終わると、ぞろぞろお客さんが去っていく。時計を見ればもう朝の4時を回っている。が、自分にとってのこの日のトリはeli walks。新作の『Parallels』の出来がおそろしく良く、ヘビーなドラムンベースから無条件に体を揺らすダブステップ、そしてメロディセンス生きるエレクトロニカの要素をうまいことミックスした内容。単に洗練された耳障りのいい、クロスオーバーはたくさんあるけど、彼の場合は所々にひねくれた部分というか、やたらと攻撃的な部分が前面に出るときがあって、そこらがまた魅力的。ライブは観客も少なく持ち時間がない中で、全力投球。Parallelsの曲がほとんどだったが、アンビエント色を強めるのか、それともフロア寄りにせめて行くのか、今後のリリースもすごく楽しみ。実は朝まで楽しんだのは初めてフジロックに来た2001年以来。自分もまだまだ若いっ!

|

« July 2012 | Main | October 2012 »