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March 22, 2014

いまさらながらのPENTAX K-5 IIs

Imgp8771今さらながらK-5 IIsにボディ更新。いままで使っていたK-5を買ったのは2年前のジュネーブショー直前だったから、2年ちょっとでの切替えとなった。K-3が出て半年ちかく経つけれど、値段がいっこうに落ちないのと、K-5 IIsボディ本体が6万円半ばというCNのセミエントリー機なみの価格までに落ち込んでいること、バッテリーグリップが引き続き使えるという貧乏性が出てしまった。

K100D→K20D→K-7→K5→K5 IIsと(順調に?)代替えしてきたけど、マイナーチェンジ機ということで当然ながら変わった感はあまりない(それを安心感とも言うけれど)。ローパスフィルターレスになったり、AFが改良されて背面液晶とかにも手を入れられているが、実際に使ってみて一番変わったと感じるのは絵作りかな。ローパスがなくなったせいもあるかもしれないけど、カスタムイメージを「ナチュラル」で撮ってもやたら発色が良い。「鮮やか」を選択する意味がなくなったので、もっぱらJPEG撮って出しで使う分には「ナチュラル」のみ。画質についてはさすがにカリカリにシャープ。液晶とかシマシマ模様とか撮るとモアレがそれなりに出るけれど、想定並み。

自分のウデと使用用途では、K-5を手にした時点で性能的に満足してしまっていて、代替する理由が正直見つからなかったけれど、このK-5 IIsでその感はますます強まった。新しい機種には惹かれるけど、どうにもオーバースペックで手が出にくい。てなわけで、今年から来年にかけてはレンズとストロボを充実させる時期と位置づけたい。

まず狙うは35mmのマクロ、それとだいぶ改良されたというAF540FGZ II、そしてロードマップで予告されている16-105mmあたりの標準ズーム。これ、F4通しだと嬉しいな。実はα7に惹かれていたりもするけれど、機材を揃えてしまった関係でどうにも浮気できない状況にある。

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March 14, 2014

音楽評論は何を語るべきか

Photoたまには書評も。最近はもっぱらkindleで手に入るものは電子版で購入するようになった。この手の書籍コードがついたら1500円はしそう(そして最初の3ページを読んで後悔する)な内容とボリュームでも、電子版なら300円。この気安さがよい。

で本題。この30年間、音楽評論の中心にいたのは紛れもなく「rockin'on」だろう。かつて『Quick Japan』が28号で「音楽雑誌なんか読むな!」と挑発したのも、『ミュージック・マガジン』が2001年7月号で「音楽と評論」というテーマで真摯に語ったのも、そして『日本ロック雑誌クロニクル』で篠原章が皮肉交じりに描いたのもすべてその向かう先の対象はROだった。そして、ロック評論における悪の権化のように渋谷陽一を(そのビジネス的な成功を認めつつも)あげつらう。

本書で指摘される「ROがもたらした害悪」というものは、大きく2つ。

まず「自意識ロック語り」がもたらす「貧しさ」(95)。こでは前提として「業界構造としてミュージシャンは新譜の告知で雑誌に登場するわけで、一生懸命作ったものを完成させた高揚感にただ単に同調するインタビューになってしまいがち」(110)という切り口の画一化があり、そして「「ロックの不可能性に自覚的だけどあえてやっている俺カッコイイ」という物語とそのバリエーションが支配的に過ぎる」(105)というメディアの姿勢に対して疑義を呈する。

もうひとつは「商業化」。端的にはメディアが「Rock in Japan」というイベントオーガナイズすることによる問題だ。「フェスに関しては、それが音楽批評を劣化させた大きな原因の一つであると、僕は当事者として強く思っています。フェスというものは…環境を整備することがメディアでありメッセージなんですね。フジもサマソニも全てのフェスがそうで、それはそれでいいんだけど、ロックインジャパンは、ロッキング・オンという活字の会社がそれをやったことで、言論の批評性がフェスのメディア性に従属するものになった。雑誌ジャーナリズムがフェス文化に手を出したことの弊害は誰かが言わなかったことですよ」(402-413:柴那典の発言)。

前者はともかく、後者については言いがかりに近い気も。先の指摘でROがアーティストに同調するばかりでジャーナリズムの体をなしていないことを指摘しているのに、ここでは「雑誌ジャーナリズムがフェス文化に手を出した」ことを糾弾するというのはかなり悪質なレトリック。

自意識ロック語りと商業化は、本来矛盾するもので、この相反する要素を何とかして乗り越えようとしているROを貶めるのは相当に不当。外野からいろんな難癖を付けてヤジを飛ばしているだけのような雰囲気に終始するのが悲しい。

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